トリカブト保険金殺人事件のトリック真相と犯人神谷力の裁判や現在は【世界の何だコレ!?ミステリー】

2020年4月22日に放送される「世界の何だコレ!?ミステリー」で日本を震撼させたトリカブト保険金殺人事件について特集されます。

トリカブト保険金殺人事件とは、1986年にトリカブト毒により多額の保険金をかけられていた神谷利佐子さんが亡くなった事件です。

犯人は夫である神谷力であったのですが、神谷力はトリカブト毒と別の生物の毒を使った巧妙なトリックで無実を訴え続けていたのです。

この記事では、神谷力が行ったトリカブト保険金殺人事件の詳細と神谷力の裁判と現在について紹介していきます。

【世界の何だコレ!?ミステリー】1986年トリカブト保険金殺人事件!神谷利佐子が毒で殺される

事件は1986年5月に起きます。

神谷力は利佐子さんと沖縄旅行に訪れていました。

そして、翌日には利佐子さんのホステス時代の友人3人も合流して石垣島に向かう予定でした。

ちなみに利佐子さんは結婚前に池袋のクラブでホステスをしていました。

お昼12時ごろ神谷力は「急用が出来た」という理由で1人大阪に帰り、石垣島には利佐子さんと友達だけで向かうことに。

しかし、13時30分すぎ利佐子さんは石垣島のホテルで突如大量の発汗や手足麻痺で苦しみだし容態が悪化。

その後、利佐子さんはホテル近くにある八重山病院に搬送されるも15時ごろに亡くなります。

死因は急性心筋梗塞。

神谷力と利佐子さんは2月に結婚したばかりで、沖縄旅行は利佐子さんへのプレゼントでもありました。

 

神谷利佐子さんには多額の保険金が掛けられていた!

その後、利佐子さんには1億8,500万円の生命保険をかけられていたことが判明。

加入したのは利佐子さんが死亡するわずか20日前。

4つの保険会社に加入しており月々の掛金は合わせて18万円。

普通のサラリーマンが月18万円の掛金をするのは常識的に考えてあり得ない額で、神谷力は1度しか支払っていなかった。

神経系の病気での利佐子さんの通院歴を契約時に告知していなかったことを理由に、保険会社は支払いを保留。

利佐子さん死亡から6カ月後に神谷力は保険金の支払いを求めて民事訴訟を起こしていました。

一審は勝訴するも、保険会社が控訴した二審で事態は急変します。

 

友人が神谷力を怪しむ

妻の友人の多くが、神谷力が妻に大量の金品を送り、出会ってからわずか6日目でプロポーズをした事。

また、仕事が公認会計士と神谷が言っていたのにも関わらず、公認会計士名簿に神谷の名前が記載されていない事などを疑い、警察やマスコミ、新聞社などに訴え掛け始めた。

その中で一部の週刊誌が大々的に報じるようになった。

 

神谷力が過去に結婚した妻は共に亡くなっている

神谷力は過去に2人の女性と結婚しており、利佐子さんとは3度目の結婚。

1人目の看護師とは、1965年に結婚しており1981年に心筋梗塞のため38歳で亡くなっている

この時は保険金は掛けられていなかった。

2人目は1人目の女性と結婚している間に愛人関係であった会社の上司。

1983年に結婚するが、2年後にが急性心不全で亡くなっている。

この時には1,000万円の保険金が掛けられていた。

利佐子さんとは前妻の死から1ヶ月で交際を始め、4ヶ月後には結婚するというスピード結婚でもあった。

 

遺体解剖から利佐子さんはトリカブト毒で亡くなっていた

利佐子さんは心臓が原因であっても心蘇生に全く反応しないことは極めてまれでした。

八重山病院の医師たちは「単なる病死ではない」と死因に不審を抱き警察に連絡を取ります。

一方、那覇空港から飛行機で駆けつけた神谷力は、司法解剖に難色を示したが、警察の強い要望があり渋々承諾。

利佐子さんの遺体解剖をした大野曜吉医師によると「利佐子さんの遺体には外見上の異常はなく、内臓の肉眼所見にも異常はなかった。

当初は心筋梗塞と思われたが、心筋梗塞による不整脈が死因であっても、死に至るまでの症状を説明できず。

死因に疑問を抱いた大野曜吉医師は調査を続けるの中で「死因はトリカブトによる中毒死であると」と証言。

すると予想通り、利佐子さんの血液から毒草トリカブトに含まれるアコニチンが検出。

大野曜吉医師の証言により、神谷力は保険金支払いの訴訟についても取り下げたのである。

 

神谷力のトリカブトとフグの毒を使った巧妙なトリック

ますます神谷力への疑惑が高まる中、1991年6月に警視庁は神谷力を別の横領事件で逮捕。

自転車部品製造会社から3億4,000万円を横領していたようです。

その捜査の過程で、利佐子さんの死が保険金目当ての殺人であった可能性が浮上し、7月に警視庁は殺人と詐欺未遂で再逮捕。

その後の公判で、神谷力は毒殺についての容疑を否認し続けます。

というのも神谷力にはアリバイがあったからです。

利佐子さんが亡くなった日の時系列
  • 12時:神谷力と利佐子さんが別れる
  • 13時30分:利佐子さんが苦しみだす
  • 15時:利佐子さんが亡くなる

トリカブト毒は即効性があるため、摂取から数分で死に至るようです。

神谷力は那覇空港で利佐子さんと別れてから3時間後に利佐子さんが亡くなっており、自分にはアリバイがあると主張。

検察は神谷力が吸収を遅らせるためにカプセルを二重にした毒入りカプセルをつくり、それを飲ませて殺害したと推測した。

それでもカプセルを二重にしても、吸収を3時間遅らせることは不可能だった。

しかし、大野曜吉医師は「トリカブトとフグの毒を微妙に調合すれば、トリカブトの毒性を遅らせて発現させることができる」と証言。

実際、トリカブトのアコニチンフグのテトロドトキシンは拮抗作用があり同時に飲むとお互いを押さえ込むと言われています。

そのため神谷力は毒の反応を遅らせることでアリバイ工作をしたのではないかと。

その後、利佐子さんの血液からフグ毒であるメサコニチンが検出。

さらに、フグ毒の服用を裏付ける情報として1981年から85年にかけて神谷力はトリカブト62鉢、クサフグ1,200匹を購入。

毒の抽出に用いるエタノールや濃縮用器具、カプセル、実験用マウス、実験器具などを購入していたことも判明。

ただ、神谷力が利佐子さんにトリカブトをいつ与え、彼女がいつそれを飲んだのか、その目撃証言はなかったようです。

 

神谷力の生い立ちなど

神谷力は宮城県仙台の出身。

父親は東北大学の教授ということもあり中流階級以上の家庭環境だったことが伺えます。

ただ、小学5年生の時に母親が目の前で服毒して自ら命を絶っている。

毒を使用したのはそういった子供の時の影響しているのかもしれない。

仙台高校を卒業後、 東北大学を受験するも失敗。

のちに上京し音響機器製造会社に勤めるも会社が倒産。

空調機器製造販売会社に入社。

食品会社の起業を試みたこともあったが、失敗して1986年に自転車部品製造販売会社に入社している。

 

裁判結果やその後と現在は

1994年東京地裁は神谷力に対し、求刑通り無期懲役の判決を下しています。

神谷力は控訴したが、二審の東京高裁も一審判決を支持し。

神谷力は最高裁に上告。

2000年2月21日、最高裁は神谷力の上告を棄却したことで神谷力の無期懲役が確定。

川上裁判長は「犯行は計画的、冷酷、残忍で、欲望を満たすためには人命さえ一顧だにしない姿勢は非道の極み」として無期懲役を言い渡した。

1985年に死亡した前妻についても「トリカブトの投与にて死亡したものと推定される」と述べている。

神谷力は服役後も改めて自らの無実を訴え続けるも、 2012年11月に大阪医療刑務所で73歳で病死しています。

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