2020年3月15日に放送される「世界法廷ミステリー14」で三鷹バス痴漢冤罪事件について特集されます。
冤罪事件によって逮捕されたのは教師である津山正義さん。
津山正義さんは逮捕されてから無罪が証明されるまで936日間も犯罪者扱いされる事になったのです。
津山正義さんが冤罪逮捕されるきっかけとなった事件の詳細や現在に紹介していきます。
【世界法廷ミステリー14】2011年三鷹バス痴漢冤罪事件!津山正義さんが逮捕される

事件は2011年12月22日、津山さんは、吉祥寺で同僚たちと二学期終了後の懇親会で飲食した後、交際相手とのデートのために勤務校に置き忘れた財布を取りに戻りました。
津山さんは、脱着しやすいよう肩ひもを伸ばしたリュックをお腹側にかけてバスの後部に立 っていました。
しばらくすると前に立っていた高校生が振り向き、睨みながらマスク越しに何かつぶやいたので、津山さんはトラブルを回避するつもりで「ごめん、ごめん」と言いました。
すると高校生は津山さんの手を掴んで「降りましょう」と言うので「勤務校へ向かうバスの中で騒ぎはいやだ」と思い、途中の停留所で一緒にバスを降りました。
降りて初めて痴漢扱いされていることを知り、強く否定すると、高校生は「じゃあ帰って下さい」と言うので、津山さんはバス停から学校に向かって歩き出しました。
ところが、高校生は一台後から来たバスの運転手に「痴漢された」と訴えたため、運転手ら3人が 津山さんを追いかけて取り押さえ、「痴漢の犯人」として逮捕、起訴されたのです。
津山正義さんは936日間犯罪者に

この事件で、高校生は痴漢行為を見たわけでも、痴漢をしている手をつかまえたわけでもありません。
高校生の「さわられた」という供述があるだけで、これを補完する客観的な証拠は存在しません。
逆に、バスの車載カメラには痴漢があったとされる時間、両手のふさがった津山さんの姿が映っています。
「ねっとりと数回、尻をなで回した」とされる午後9時32分から34分頃、津山さんは右手で携帯電話を操作し、左手でつり革につかまっているのです。
同じ時間帯に発着信があったことを示す携帯メールの履歴もサーバーで確認されており、痴漢はまったく不可能です。
また、逮捕直後に行われた科捜研の「微物鑑定」では津山さんの手から女性のスカートの繊維はまったく検出されませんでした。
スカートの繊維はウール 100%。ウール=羊毛は化学繊維にくらべると壊れやすく付着しやすい、同時に繊維表面のスケールという鱗状の構造によって付着すると脱落しにくい、という特徴があります。
実際、弁護側の鑑定(一審では不採用)では14回実施して、14回とも繊維片が検出されています。
車載カメラの画像では乗車時、リュックサックを左肩だけにかけていた津山さんの姿が確認できます。
これが女性の臀部に接触することは同じ身長の人を相手にした再現実験でも明らかです。
臀部の感覚の鈍さが痴漢の勘違いを招くことは、弁護団が実験を依頼した日大厳島研究室による鑑定でも示されています。
事件の真相は、リュックが女性の体にあたり「痴漢」と勘違いさせたことが原因。
しかし、地裁立川支部の倉澤千巖(ちいわ)裁判官は「右手は携帯、左手は吊り革で痴漢は不可能」という弁護側の主張に対して、バスが道路工事をさけて大きく揺れたために、左手が物影に隠れて映らなくなる場面を捉え、“左手の状況が不明な時間 がある”と推測で左手による痴漢を「認定」したのです。
裁判官について
今回の判決を下したのは、倉澤千巌(ちいわ)元裁判官です。
証拠としては女子高生の証言のみだったそうですが、
倉澤裁判官は、バスが揺れ、被告男性がカメラからフレームアウトした瞬間を指して、『揺れている状況下で、右手で携帯電話を操作しながら左手を吊り革から離し、痴漢行為をすることは容易とは言えないが、不可能とか著しく困難とまでは言えない』と、判決を下したのです。数秒でカメラのフレームに戻ってきた被告はしっかりと左手で吊り革を握っていたそうです。
倉澤千巌元裁判官は東京大学出身のようです。
裁判結果や現在の津山さんは
【速報】「三鷹バス痴漢冤罪事件」の無罪が確定。右手でメール送信し左手は吊り革を握っていたのに痴漢容疑で一審有罪とされた「三鷹バス痴漢冤罪事件」で、市立中学校教諭の津山正義さんの逆転無罪判決が確定した。検察側は上告期限までに手続きを取らなかった。今後は復職と刑事補償を請求する。
— IKEZOE_Noriaki (@ookaminami) July 30, 2014
津山正義さんは2014年に逆転無罪を勝ち取ります。
走行中の路線バスの車内で痴漢をしたとして、東京都迷惑防止条例違反の罪で起訴された東京都三鷹市立中学校の教諭、津山正義さん(30)に、控訴審の東京高裁(河合健司裁判長)は7月15日、無罪を言い渡した。
逮捕時から一貫して無実を訴え続けてきたにもかかわらず、1審の東京地裁立川支部(倉澤千巌〈ちいわ〉裁判官)は罰金40万円の有罪判決。
ようやく勝ち取った逆転無罪だった。
また、痴漢を訴えた女子高生は損害賠償の請求がなされたようです。
女子高生については詳細は判明していませんが、現在はおそらく成人している事でしょう。
津山正義さんが無罪を勝ち取ったからよかったものの、1人の人生を狂わせかねない出来事になっていたかと。
勘違いとだったとはいえ勘違いだけで許されるものではありませんね。
倉澤千巌元裁判官が下した裁判は「平成26年7月15日判決」によって取り消されました。その後、冤罪判決を下したことにより依願退官(依願退官とは自己都合退職のようなもの)。
こういう痴漢冤罪事件は、男性の身からすると他人事には、できませんね。
1つでも冤罪事件がなくなることを祈ります。